こんにちは。名古屋市天白区にある歯医者「医療法人IDG いちろう歯科・矯正歯科」です。
むし歯予防に良いと言われるキシリトールですが、砂糖のように甘いのになぜむし歯予防できるの?予防するためにどのタイミングで食べるのが良いの?と疑問に思われた方もいらっしゃるかと思います。今回はそんなキシリトールについてお話していきます!
目次
キシリトールとは
キシリトールとは多くの果実や野菜に含まれる天然素材の甘味料です。ガムやタブレットなどの普段口にするキシリトールは白樺や樫などの木から抽出される成分をもとに作られます。砂糖と同じ甘さと、溶ける時に熱を奪うため口に含んだ時のスーッとした冷たい感覚が特徴です。
むし歯のなり方
むし歯の原因はミュータンス菌と呼ばれる菌でこの菌は子どもの奥歯が生えてくる1歳半〜2歳頃にお口の中に定着すると言われています。
ミュータンス菌がお口の中にいると糖分を餌に酸を出して歯を溶かします。これを脱灰と言います。ですがお口の中にある唾液の力で溶けてしまった歯を戻すことができます。これを再石灰化と言います。この脱灰と再石灰化のバランスが崩れることでむし歯になってしまいます。
なぜむし歯にならないのか
ではなぜキシリトールはむし歯予防に良いと言われているのでしょうか。それはキシリトールはむし歯の原因となる酸を作らずむし歯の原因にならないためです
その他にも甘さで味覚を刺激し唾液分泌が増えることで歯の再石灰化が促進されたり、ミュータンス菌に代謝されずミュータンス菌のエネルギーを消耗させ弱らせるなどの効果もあります。菌が弱ると歯ブラシで除去しやすくなりむし歯のできにくいお口の中に変化します。
キシリトールの摂取方法
キシリトールはガムやタブレット、歯磨き粉やチョコレートなど様々なものに応用されています。特にガムやタブレットはお口に含んでいると唾液分泌効果も期待でき、さらにむし歯予防が期待できます。効果的な摂取方法としては、1日5〜10gを3回に分け摂取することを3カ月続けることだと言われています。そうすることで菌が弱りむし歯になりにくいお口を作ることができます。
いちろう歯科に置いてあるキシリトール製品の具体的な摂取量は
キシリトールガム…1日5.6粒
キシリトールタブレット(しまじろう)…1日6粒
キシリトールタブレット(ミント)…1日12粒
となります。
いつ食べるか
キシリトールを食べるタイミングとしては食後や就寝前がおすすめです。食後はお口の中が酸性に傾くためむし歯のリスクが高い状態になります。そこでキシリトールを摂取し菌を弱らせたり、唾液分泌によりお口の中を中性に戻すことでリスクを減らすことができます。また、就寝前は寝てる間の唾液量が減少するため、キシリトールを摂取し唾液分泌を促したり、キシリトールの力で菌を弱らせることでむし歯のリスクを減らせます。
キシリトールは歯磨きの代わりになる?
歯磨きの代わりにはなりません。あくまで補助的存在で、歯の清潔を保つための歯磨きはむし歯予防に欠かせません。その際にフッ素入りの歯磨きを使うとフッ素の力で歯が強くなるため、よりむし歯予防に効果的です。歯磨きとキシリトールを併用することでむし歯予防の効果が期待できます。
キシリトールの選び方
スーパーなどでもキシリトールガムやタブレットはたくさん売られているかと思います。種類がありすぎてどれを選べばいいか迷ってしまいますよね。そんな時に見てほしいポイントは
①キシリトールができるだけ高濃度(50%以上)含まれること
②砂糖などの発酵性の甘味料が含まれないこと
です。キシリトールを1日5〜10g摂取するためには含まれるキシリトールが少ないとその分食べる数を増やす必要があります。また、砂糖などが含まれるとむし歯菌の餌になってしまうからです。この2点に注意して探してみてください。
摂取量には注意
キシリトールは小腸で吸収されにくいため多量に摂取すると下痢や腹痛などを起こすと言われています。また最近の研究では多量に摂取すると血小板の反応性が高まり血栓のリスクが上昇する可能性があると報告されています。これらはあくまで多量に摂取した場合でむし歯予防目的のキシリトールの摂取量では問題はないと言われています。ですので適度な摂取量を守るようにしましょう。
まとめ
今回はキシリトールについてお話しました。効果的な量やタイミングで摂取することでむし歯予防が期待できます。普段食べているおやつをキシリトールに置き換えることもむし歯のリスクを減らすことができるためおすすめです。いちろう歯科にもキシリトール製品たくさんありますのでぜひ試してみてください。