

中学生以上になると、これまでの生活習慣の中で、お口の環境はほぼできあがっている状態になります。とはいえ、この時期からでもお口の環境を改善することは可能です。
改善のためには、これまでの生活習慣の中でできあがっている環境を、科学的に数値として把握することが重要になります。歯科ドックでは虫歯の実体を把握してコントロールする学問をもとにしたリスク数値(カリオグラム)を測定し、個別に対処することでお口の環境を改善させていきます。
逆に言えば、お口の中の虫歯菌の数や、患者さん自身の唾液の力などをご自身で把握しなければ、歯を守ることは難しいのです。客観的数値をもって現状を把握することで、原因からその対処法までを明確にしていきましょう。これらによって、虫歯は100%予防できるものであるとされています。


虫歯菌量が多いとやはり虫歯になるリスクは上がります。
虫歯の原因となる菌は1種類だけではありません。
当院の唾液検査では「ミュータンス菌」「ラクトバチラス菌」の
2種類の菌を院内で培養して調べます。
どちらの菌がどのくらいの量いるのかを確認し、それに合わせたアドバイスを行います。



唾液検査で調べる「ミュータンス菌」と「ラクトバチラス菌」は
それぞれ虫歯菌の一種ですが、作用する働きが違います。
ミュータンス菌で虫歯が作られ、
ラクトバチラス菌で虫歯がより拡大していくのです。
どちらの菌も少ない方が、虫歯のリスクを低くできるということです。
唾液の量が多いと、お口の中の細菌や食べかすを洗い流してくれたり(自浄作用)、
虫歯菌や歯周病菌の増殖を抑える働き(抗菌作用)をしてくれます。
さらに、唾液中のカルシウムやリンの成分が歯を修復する「再石灰化」という働きによって、初期の虫歯は自然に修復されることもあります。
逆に唾液量が少ないと、上記のような作用が効果的に働きませんので、
虫歯や歯周病のリスクが上がります。
細菌数も増え、口臭の原因にもなります。



唾液量の少なさが与える影響は、お口の中では収まらず身体にも表れます。
そのため、唾液量を多くすることはご自身の健康を守るためにも
重要なことだといえます。



等、日常的にできることから生活習慣の見直しまでさまざまありますので、
検査と生活習慣に関する問診の結果に合わせて、
歯科衛生士よりアドバイスさせていただきます。
本来お口の中は中性~ややアルカリ性に保たれていますが、食事や細菌の作用により酸性に傾きます。
緩衝能(かんしょうのう)とは、その酸性に傾いたお口の中を中性に戻す働きのことです。
お口の中が酸性になると、歯からミネラルが溶け出す脱灰(だっかい)が起こり、その時間が長ければ長いほど初期虫歯に進行してしまいます。
しかし、緩衝能の力で中性に戻していくことで、再石灰化を助け、唾液中のカルシウムやリンが歯に取り込まれる働きを促します。
緩衝能は、虫歯になりにくい環境を維持してくれる大切な機能なのです。

採取した唾液を
試験管に垂らす

試験紙の色の
変化を見る
酸性 |
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中性 |
正常な状態 |
アルカリ性 |
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緩衝能の力が弱くなる原因も唾液の量や質に由来するため、
唾液量を増やしていくことは重要◎
検査してみないと、緩衝能の強さは日常生活ではわかりません。
虫歯になりやすくて悩んでいる方は、ぜひ調べてみることをオススメします。

口臭検査の流れ





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7,000円 |
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