歯ぎしりについて

こんにちは。歯科医師の牧原です。

突然ですがみなさん、食いしばりをしているなとご自身で意識することはありますか?

このコロナ禍で患者さんから「朝起きると顎が痛い、疲れている」「お口が開けにくい」といった訴えが増えました。

下顎は、様々な筋肉に支えられています。寝ている時に歯ぎしりや食いしばりをしていると、朝起きた時に、顎を支える筋肉や顎関節部、歯を支える歯根膜という組織などに疲労が溜まって怠さや痛みを感じることがあります。

寝ているときのことなんて分からないという方、お口を開けて頬と舌を見てみてください。

頬の内側に白い線が走っていたり、舌に歯の痕が付いていませんか?

食いしばってお口の中が陰圧になると、歯の圧痕がもこもこと舌や頬についてしまうことがあります。自覚が無くてもこのようなサインがお口の中に表れてくると食いしばりをしている可能性があるかもしれませんね。

さて、夜間の食いしばりについて説明しましたが今度は日中の食いしばりについて説明します。

例えばパソコンに向かって集中している時、ふと息抜きすると肩の凝りを感じるように、集中状態のとき、人は無意識のうちに食いしばりをしていて、肩同様に顎の筋肉や関節に負担がかかってしまいます。

また、下顎は、側頭筋という頭の横の筋肉(噛み締めたときにグッと盛り上がる筋肉です)、胸鎖乳突筋という首筋の筋肉、僧帽筋という首裏の筋肉にも近接しているので、食いしばりがひどいと、肩凝りや頭痛が助長してしまうこともあります。

今度は、一度リラックスした状態でお口をつむって座って下さい。その状態で上下の歯は当たっていますか?離れていますか?

これは私自身も間違っていたのですが、通常は歯が離れている状態が正しい状態です!

TCH(tooth contacting habit=歯列接触癖)という概念で、簡単にいうと強く食いしばった状態だけじゃなくて歯が触れ合っているだけでも顎関節に負担がかかるんだよということです。

ここまで話して、夜だろうが日中だろうが歯ぎしりや食いしばりは生じてしまうということが分かって頂けましたか?

歯ぎしり食いしばりの原因は、ストレス、集中、癖、歯並び・・・さまざま。ここまで読んで頂いたのにごめんなさい。原因がひとつではないので根本的に防止するのは難しいです。ただ、人と会話する時間が減少しリモートワークやスマホに向かうが増加し、症状が出る方が増えたのかなと感じる日々です。ストレスを感じること増えちゃいましたね。

負の症状が出なければそのまま様子をみても問題ありません。

まずは自分が歯ぎしり食いしばりをしているということを自覚したら、少し力を抜いて生活してみて、さっき言った歯の接触を無くすように意識してみて下さい。日中と夜間の歯ぎしりには相関関係があると言われていますので、良い方に作用してくれます。くれぐれも気にしすぎによるストレスには注意してください。

それでも顎の怠さを感じる方や、歯がすり減ってきたなと不安な方は、必要であれば歯を保護するマウスピースを作ってみましょう。お気軽にご相談ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コラム一覧へ

ページの先頭へ戻る