こんにちは。名古屋市天白区にある歯医者「医療法人IDG いちろう歯科・矯正歯科」です。
将来のために、子どものうちに矯正治療をしようと考えている保護者の方は多いのではないでしょうか。近年、子どもの矯正治療の中でとくに注目されているのが、透明で目立ちにくいマウスピース型の矯正治療です。
この記事では、インビザライン・ファーストの概要や費用、費用負担を軽減する方法を紹介します。子どもの矯正治療を検討中の人は、ぜひ参考にしてください。
目次
インビザライン・ファーストとは
インビザライン・ファーストとは、8歳から10歳頃の生え替わり時期に行うマウスピース型の矯正治療です。乳歯と永久歯が混在する混合歯列期のお子様が対象で、この時期の治療は1期治療と呼びます。
1期治療は、通常これから生えてくる永久歯がきちんと並ぶためのスペースを確保する目的で行われます。
しかし、インビザライン・ファーストは、顎の拡大と歯列の調整を同時に行えます。これは、他の小児矯正方法にはない大きな特徴といえます。
インビザライン・ファーストでは、取り外しが可能な透明のマウスピース型の矯正装置を1日22時間以上装着します。マウスピースを1〜2週間ごとに取り替えながら、顎の拡大と歯の位置調整を行うのです。
インビザライン・ファーストを成功させるためには、精密な歯型のデータが必要です。従来ではやわらかい印象材を口に入れて型取りを行っていましたが、その方法では子どもにとって負担が大きいです。精度にばらつきが生じやすいデメリットもあります。
当院では、3Dスキャナーであるi-Teroを取り入れており、お子さまの負担を減らしながら正確な型取りを実施しています。
インビザライン・ファーストのメリット
装置を口内に固定する治療法と異なり、歯磨きがしやすいため虫歯や歯周病のリスクを抑えられます。また、矯正装置を取り外せるため食事に制限がありません。
矯正装置が透明で目立たないため、金属製の矯正装置に抵抗がある人も挑戦しやすいしょう。
上述したとおり、インビザライン・ファーストはほかの1期治療とは違い、顎のスペースを広げるだけでなく、歯列の調整も同時に行うことが可能です。そのため、全体的な矯正期間を短縮できる可能性もあるでしょう。
一般的に、小児矯正には2〜4年ほどの期間が必要ですが、インビザライン・ファーストでは9ヶ月ほどで歯並びが整うケースもあります。
インビザライン・ファースト治療のデメリット
矯正装置は取り外しができる分、取り外したままの時間が長いと治療効果が得られません。小児に対する治療のため、年齢的に自己管理ができるかどうかには差があります。お子さまの理解が得られない場合、治療を継続するのは難しいでしょう。
また、自費診療となるため治療費が高額になります。
インビザライン・ファーストを受けることができる人
インビザライン・ファーストは、希望をすれば全員受けられるわけではありません。治療を受けることができるのは、以下の条件が揃っている場合です。
- 第一大臼歯が生えている
- 前歯のうち2本が2/3以上生えている
- 少なくとも3/4顎に乳歯、もしくがまだ生えていない永久歯がある
8歳から10歳頃のお子様が対象とされていますが、実際に治療できるかどうかは身体年齢だけでは決まりません。お口の中の状況を確認して判断する必要があります。
インビザライン・ファーストの費用
インビザライン・ファーストをはじめ、矯正治療は基本的に自費診療です。自費診療は歯科医院によって価格設定が異なり、難しい症例の場合は追加費用がかかることもあるでしょう。
治療費の目安は、以下のとおりです。
- インビザライン・ファースト :60万円程度
- リテーナー(保定装置) : 4万円程度
リテーナーは、歯や顎の位置を固定するために使用する装置です。
保険適用となる場合
矯正治療は基本的には自費診療です。顎変形症や先天性疾患による咬合異常など、厚生労働省が指定した疾患に限り、保険が適用されることもあります。
ただし、その場合に治療方法としてアライナー矯正を選択することは少ないです。インビザライン・ファーストに保険が適用されることは、ほとんどないといえます。
インビザライン・ファーストで追加の費用が発生するケース
インビザライン・ファーストの治療では、予定していた費用に加えて追加の費用が発生することもあります。ここでは、追加の費用がかかる例を紹介します。
治療期間の延長
インビザライン・ファーストでは、マウスピースを1日22時間以上装着しなければなりません。装着時間を守ることができないと、予定した治療効果が得られません。
通院期間が伸びたり、マウスピースを作り直す必要が出たりして、治療費用が増加する可能性があります。
マウスピースを作り直した
マウスピースは、熱に弱い素材で作られています。熱湯をかけたり、マウスピースを着用したまま熱い飲み物を飲んだりすると、変形することがあります。また、透明のため外して紛失することも考えられます。
マウスピースの取り扱い方法や、学校や習い事で外したときの管理方法を、お子様としっかり話し合っておくことが必要です。
口腔トラブルが発生した
矯正治療中に虫歯や歯周病が発生した場合は、矯正治療を中断して、虫歯や歯周病の治療を優先する必要があります。治療を中断するとマウスピースが合わなくなる可能性があり、その場合はマウスピースの作り直し費用が加算されます。
インビザライン・ファーストの費用負担を軽減する方法は?
子どもの歯並びを整えるためとはいえ、矯正治療はいずれも高額です。少しでも費用負担を軽減するためには、どのような手段があるのでしょうか。
医療費控除を受ける
発育段階にある子どもにとって、不正咬合や噛み合わせの悪さによる矯正治療は重要です。治療の必要性が認められる場合は、医療費控除の対象となります。
医療費控除とは、同一家計の家族の1年間に支払った医療費の合算額が一定額をこえた場合、確定申告することで所得税の控除を受けられる制度です。治療のための通院費も医療費控除の対象ですので、公共交通機関を利用する場合は、領収書や記録をとっておきましょう。
自家用車のガソリン代や駐車料金は対象にならないので注意してください。
デンタルローンを利用する
矯正治療は基本的に自費診療となるため、どの治療法を選んでも高額になります。一度にその金額を用意することが難しい場合は、歯科医院が提携しているローン会社のローンを利用して、分割払いをする方法もあります。
自費診療を提供している多くの歯科医院で利用できるデンタルローンは、一般的なローンと比較して支払い期間が長く、金利も抑えられていることが多いです。一括払いが難しい場合は、利用を考えてみてもいいかもしれません。
正しいケアで追加治療を避ける
費用を抑えるためには、最初のプラン通りに治療を終えることも重要です。そのためには、マウスピースの装着時間、リテーナーの装着期間をきちんと守るようにしましょう。
また、毎日しっかりと歯磨きを行い、虫歯や歯周病にならないように気をつけること、定期検診の通院間隔を守ることも同様に大切です。いずれも子どもだけでは対応しきれないため、ほかの矯正治療と同様に保護者のフォローが重要になります。
まとめ
インビザライン・ファーストは、骨格が未発達だからできる口腔内の環境と歯列を同時に整える画期的な治療です。自費診療のため治療費は高額になりますが、医療費控除やデンタルローンなどを利用することで、費用を抑えつつ健康的な口内環境を手に入れられます。
興味のある人は、一度歯科医院で相談してみてはいかがでしょうか。
インビザライン・ファーストを検討されている方は、名古屋市天白区にある歯医者「医療法人IDG いちろう歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。
当院は、健康なお口=健口から健康を創り出す歯科医院として予防を中心とした歯科医療を提供しています。予防歯科や小児矯正、マウスピース矯正だけでなく、虫歯・歯周病治療やホワイトニング、入れ歯、歯科ドックなども行っています。