ナイトガードとは?使用するメリットや種類、費用も解説

こんにちは。名古屋市天白区にある歯医者「医療法人IDG いちろう歯科・矯正歯科」です。

ナイトガードを装着する女性

朝起きたときに顎がだるい、肩がこる、歯が痛いなどの不調を感じる場合、睡眠中の歯ぎしりや食いしばりが原因かもしれません。歯ぎしりや食いしばりによる負担を軽減するためには、ナイトガードと呼ばれるマウスピースの使用が効果的です。

「ナイトガードを使用するメリットは?」「費用はどれくらいかかる?」など、疑問に思う方もいるでしょう。

この記事では、ナイトガードを使用するメリットや種類、費用の目安について解説します。歯を守るための対策として、ぜひ参考にしてください。

ナイトガードとは

ナイトガードの装置

ナイトガードとは、睡眠中に装着するマウスピースです。寝ている間の歯ぎしりや食いしばりでは、食べ物を噛むときの何倍もの強い力がかかるため、歯や顎に大きな負担を与えます。ナイトガードは、その力を分散して歯や顎関節を保護する役割を果たします。

ナイトガードの種類

ナイトガードには、大きく分けてソフトタイプとハードタイプがあります。ここでは、それぞれの特徴について解説します。

ソフトタイプ

ソフトタイプは、ビニール樹脂で作られたマウスピースです。クッション性があるため、装着時の違和感が少ない傾向にあります。初めてナイトガードを作る方でも使いやすいでしょう。

ただし、耐久性には劣るため、強い歯ぎしりや食いしばりをすると短期間で作り直しが必要になる場合があります。軽度の歯ぎしりがある方や、まずは試してみたい方に向いているかもしれません。

ハードタイプ

ハードタイプのマウスピースは、ソフトタイプよりも硬い樹脂素材で作られています。耐久性に優れており、強い噛みしめや歯ぎしりにも対応できることが多いです。歯の摩耗や顎関節のトラブルをしっかり防ぎたい方に選ばれています。

ただし、厚みや硬さのために慣れるまで違和感があり、装着初期は眠りにくいと感じる人もいます。

ナイトガードのメリット

ナイトガードのメリットイメージ

ナイトガードを使用するメリットは、以下のとおりです。

歯がすり減るのを防ぐ

歯ぎしりが続くと、上下の歯同士が強くすり合わされることで、歯の表面のエナメル質が少しずつ削れていきます。エナメル質が削れると歯の内側の象牙質がむき出しになり、虫歯になるリスクが高まります。

ナイトガードのメリットは、歯と歯の間のクッションとなることで、歯がすり減るのを防げることです。使用しているナイトガードのすり減った跡を見ることで、歯ぎしりの強さや頻度を客観的に知るきっかけにもなります。

歯の破損を予防する

歯ぎしりや食いしばりの強い力が特定の歯に集中すると、歯の一部が欠けることがあります。さらに、詰め物や被せ物も強い力によって割れたり外れたりすることは少なくありません。

歯が欠けると見た目の問題だけでなく、知覚過敏のリスクや、欠けた部分に汚れが溜まって虫歯になるリスクが高まります。また、詰め物や被せ物が壊れた場合は再治療が必要です。

ナイトガードを使うと、歯ぎしりや食いしばりから歯や補綴物を守り、破損するリスクを低減できます。

歯周病が悪化するリスクを低減させる

歯ぎしりは歯周病の直接的な原因ではありませんが、歯ぎしりをしていると歯周病が悪化するおそれがあります。歯に大きな力がかかることによって歯周組織の炎症が悪化し、歯を支える骨の吸収を進行させる場合があるのです。

ナイトガードを使うことで、歯にかかる力を分散し、歯茎や歯を支える歯槽骨へのダメージを低減できます。

顎関節症のリスクを下げる

顎関節症とは、顎の関節や筋肉に負担がかかり、口を開けるときにカクカクと音がしたり、痛みが生じたりする症状のことです。症状が進行すると、食事や会話に支障をきたしたり、頭痛や肩こりを引き起こしたりする場合もあります。

ナイトガードを装着すると、歯ぎしりや食いしばりによる力が分散され、顎関節にかかる負担が軽減されます。顎関節症になるリスクを下げ、すでに症状がある場合でも悪化を防ぐ効果も期待できるのです。

音を軽減する

歯ぎしりはギリギリといった音を伴うことがあり、同じ部屋で寝ている家族の睡眠を妨げる原因になるケースがあります。ナイトガードは上下の歯の間でクッションとなり、歯ぎしりによって音が発生するのを防ぐことが可能です。

本人だけでなく、周囲の人の睡眠環境を守る点でも役立ちます。

頭痛や肩こりを軽減する

前述したとおり、歯ぎしりや食いしばりは、顎の筋肉に過度な緊張を与え、首や肩の筋肉にも負担をかけます。そのため、慢性的な頭痛や肩こりに悩まされる人も少なくありません。

ナイトガードを装着すると、歯ぎしりによる首や肩の筋肉への負担が軽減され、頭痛や肩こりの症状が和らぐことがあります。

ナイトガードのデメリット

ナイトガードのデメリットイメージ

ナイトガードは歯や顎を守るために有効な装置ですが、注意すべきデメリットもあります。ここでは、ナイトガードのデメリットについて解説します。

違和感がある

ナイトガードを装着すると、口の中に異物が入っている感覚があり、違和感を覚える人は少なくありません。最初は気になって眠りにくいと感じる人もいるでしょう。

ただし、装着を1〜2週間ほど続けると、慣れることが多いです。どうしても違和感が強い場合や、痛みがある場合は歯科医院で調整してもらいましょう。

手入れや管理が必要となる

ナイトガードの手入れや管理が必要となるのもデメリットです。朝起きてすぐに洗浄するのを負担に感じる人もいるでしょう。

しかし、毎日洗わずに保管すると、細菌が繁殖し、口臭や虫歯・歯周病のリスクが高まります。使用後は流水とやわらかめの歯ブラシで汚れを落とし、週に一度程度は洗浄剤を使って洗いましょう。

また、熱に弱い素材でできているため、高温になる場所に置いたり、熱湯で洗ったりしないでください。

定期的な調整や作り直しが必要

ナイトガードには歯ぎしりや食いしばりの力が直接かかるため、すり減ったり変形したりします。特に、歯ぎしりの程度が強い方では、短期間で作り直しが必要になる場合もあるでしょう。

また、食べ物を噛む力や舌の癖など、日々の生活習慣によって歯並びや噛み合わせが少しずつ変わる場合があります。そのため、歯並びや噛み合わせの状態に合わせてナイトガードを調整しなければなりません。

3〜4ヶ月に一度程度、歯科医院を受診し、すり減りの状況や噛み合わせのズレがないかのチェックを受けましょう。虫歯や歯周病など、お口全体の健康維持のためにも定期検診は欠かせません。

費用がかかる

ナイトガードは、一度つくると永久的に使えるわけではありません。ソフトタイプは1年程度、ハードタイプは2〜3年程度が寿命とされています。強い歯ぎしりがある方ではさらに寿命が短くなることもあります。

定期的に作り直す必要があるため、その都度費用がかかる点はデメリットといえるでしょう。

ナイトガードの費用

ナイトガードの費用イメージ

歯ぎしりによる歯のすり減りがある場合や、顎関節症と診断された場合は、基本的に保険適用でナイトガードを作製できます。3割負担であれば、5,000円程度が費用の目安です。

ただし、ナイトガードの破損や紛失、不具合などによって半年以内に作り直す場合は、保険が適用されません。自費で作製する場合は、1万5,000円程度がかかります。

定期的に作り直すことを考えると高いと感じる人もいるかもしれませんが、歯ぎしりによって歯が欠けたり、顎関節症になったりすると、より高額な費用や治療による負担が発生する可能性があります。長期的に見ると、費用対効果は高いといえるでしょう。

市販のナイトガードについて

ドラッグストアやネットショッピングでは、1,000円前後でナイトガードを購入できる場合があります。歯科医院よりも安く購入できますが、自分の歯にぴったり合うような精度は期待できないことを理解しておきましょう。

合わないマウスピースを使用すると、かえって噛み合わせを乱したり、顎関節に負担をかけたりするリスクがあります。結果的に症状を悪化させ、治療費がかさむことにもつながりかねません。

一方で、歯科医院では、歯ぎしりの程度や噛み合わせに合わせたナイトガードを作成できます。

まとめ

ナイトガードで歯の健康を維持する笑顔の女性

ナイトガードは、就寝中の歯ぎしりや食いしばりから歯や顎を守るためのマウスピースです。歯がすり減ったり欠けたりするのを予防するほか、顎関節症になるリスクを低減できます。すでに頭痛や肩こりがある方は、改善する場合もあるでしょう。

装着し始めた直後は違和感を覚えることもありますが、1〜2週間程度で慣れる方がほとんどです。定期的に調整や作り直しが必要なため、費用はかかりますが、歯や顎にかかる負担を軽減でき、将来的なトラブルを考慮すると費用対効果は高いといえるでしょう。

歯ぎしりや食いしばりが気になる方は、まず歯科医院で相談してください。

ナイトガードの作成を検討されている方は、名古屋市天白区にある歯医者「医療法人IDG いちろう歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。

当院は、健康なお口=健口から健康を創り出す歯科医院として予防を中心とした歯科医療を提供しています。予防歯科や小児矯正、マウスピース矯正だけでなく、虫歯・歯周病治療やホワイトニング、入れ歯、歯科ドックなども行っています。

当院のホームページはこちらWEB予約も受け付けておりますので、ぜひご活用ください。

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